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第25回東京国際映画祭 フランス映画・フランス語上映作品

今年もアジア最大の映画祭、東京国際映画祭が2012年10月20日(土)〜10月28日(日)9日間にわたり、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかで開催します。
1985年からスタートした東京国際映画祭は、今回で25回目の節目の年を迎え、原点に返り、映画を通じてできる交流や文化など、「映画の力」を考えて行きます。
2012年の東京国際映画祭は、7作品のフランス映画が上映されます。
第25回東京国際映画祭のフランス映画上映スケジュール、来日ゲスト、チケット購入方法など、詳細はTIFF公式サイトでご確認下さい。

もうひとりの息子 / Le fils de l'Autre


© Rapsodie Production - Cité Films

監督:ロレーヌ・レヴィ
キャスト:エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク、マハディ・ダハビ、
アリン・オマリ、カリファ・ナトゥール

105分 フランス語、ヘブライ語、アラビア語、英語 Color | 2012年 フランス

兵役用健康検査の結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年。出生の際の手違いが明らかになり、やがてイスラエルとパレスチナふたつの家庭のアイデンティティと信念とが大きく揺さぶられる事態に発展する。根深い憎しみからの解放を巡る感動のドラマ。
主演のエマニュエル・ドゥヴォスは現在のフランスで最も尊敬を集める女優のひとりであり、本作でも動揺する母性愛を絶妙に表現している。また、イスラエル側の息子を演じるのは、子役時代に『ぼくセザール10歳半1m39cm』(03)に主演した、ジュール・シトリュク。

上映日:10月20日(土)17:45 (Q&A)、10月26日(金)19:35(Q&A)
登壇ゲスト(予定): ジュール・シトリュク(俳優)、ロレーヌ・レヴィ(監督/脚本)、ヴィルジニー・ラコンブ(プロデューサー)

マリー・アントワネットに別れをつげて / Les Adieux à la Reine

© 2012 GMT PRODUCTIONS – LES FILMS DU LENDEMAIN – MORENA FILMS - FRANCE 3 CINEMA – EURO MEDIA FRANCE – INVEST IMAGE

監督:ブノワ・ジャコー
キャスト:レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、グザヴィエ・ボーヴォワ、ノエミ・ルボフスキー

100分 フランス語 Color | 2011年 フランス=スペイン | 配給:ギャガ株式会社
(2012年12月15日 TOHO シネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマ他全国順次公開)

1789年7月14日、優雅な朝を迎えたはずのベルサイユが、1枚の紙に震える。バスティーユが陥落し、王妃とその寵愛を受けるポリニャック夫人の名前も載った286名の処刑リストが発表されたのだ。「ずっとおそばに」朗読係のシドニーは心酔する王妃への忠誠を誓うが、王妃からは「ポリニャック夫人の身代わりに―」と思いもよらぬ非情な命令を受ける。身を引き裂く嫉妬、生命の危険、 果たして、シドニーの運命は──?

上映日:10月22日(月)17:05
登壇ゲスト(予定):レア・セドゥ(女優)、ブノワ・ジャコー(監督/脚本)

5月の後 / Après mai

© 2011 MK2 SA / France 3 Cinéma © Carole Bethuel

監督:オリヴィエ・アサイヤス
キャスト:ローラ・クレトン、クレモン・メタイェル、フェリックス・アルマン、キャロル・コームス、
インディア・サルボア・メネズ

117分 フランス語 Color | 2012年 フランス

学生運動がフランス全土で社会現象へと発展したのが68年の5月革命である。本作は、5月革命に間に合わなかった、70年代前半に政治活動に傾倒した世代の物語であり、それはすなわちアサイヤス監督の世代である。かねてより70年代を背景とした『冷たい水』(94)の延長線上にある作品の構想を抱いていたアサイヤスは、『カルロス』(10)で時代の再現に手応えを感じ、本作を製作するに至る。自伝的作品ではあるが、アサイヤスの記憶や体験は様々なキャラクターに託されている(本作の主役は『冷たい水』と同じ、ジルとクリスティーヌという役名を与えられている)。政治の季節の記憶であるとともに、普遍的な青春映画であり、映画への愛に富み、極上の音楽と撮影を備えたアサイヤス芸術の最高峰である。

上映日:10月24日(水)12:40、10月28日(日)19:50

眠れる美女 / Bella Addormentata

© Cattleya

監督:マルコ・ベロッキオ
キャスト:イザベル・ユペール、トニ・セルヴィッロ、アルバ・ロルヴァケル、ミケーレ・リオンディーノ、マヤ・サンサ、ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ

110分 イタリア語、フランス語 Color | 2012年 イタリア=フランス

昏睡状態が続く少女の尊厳死がイタリア全土を巻き込む関心事となった2009年、ベロッキオ監督はマスコミやキリスト教会や政治家、そしてイタリア国民の反応に大いにショックを受けたという。しかし映画にするには早急であると判断し、2年の間を置き、視野を広げた上で、本作を完成させた。尊厳死を巡る3つの物語は、監督自らの経験や価値観を包含しているが、最終的な判断はあくまで観客に委ねられている。

上映日:10月25日(木)20:25 、10月27日(土)14:10(Q&A)
登壇ゲスト(予定):ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ(イタリア人俳優)

ゴールデン・スランバーズ / Le Sommeil d'or

監督:ダヴィ・チュウ

96分 クメール語、フランス語 Color | 2011年 フランス=カンボジア | ドキュメンタリー

在仏カンボジア人監督が祖国のホラー映画史を発掘する貴重なドキュメンタリー。
“黄金のまどろみ”を意味し、ビートルズの曲も想起させるタイトルを持つ本作は、フランスに生まれたカンボジア系のダヴィ・チョウ監督が祖国の映画史を発掘していく貴重なドキュメンタリーである。1960〜75年にかけて首都プノンペンは映画の都として東南アジアに君臨し、400本に達する映画が製作された。しかし75年にポル・ポト率いるクメール・ルージュが政権を握るとただちにそのほとんどが処分され、映画人もまた粛清された。現存するフィルムは30本といわれている。本作にはカナダに逃れた『怪奇ヘビ男』のティ・リム・クゥン監督も登場する。

上映日:10月20日(土)10:50、10月22日(月)10:20
登壇ゲスト(予定):ダヴィ・チュウ(監督)

レイモン・ドゥパルドンのフランス日記 / Journal de France

© Copyright Wild Bunch 2012

監督:レイモン・ドゥパルドン、クローディーヌ・ヌーガレ
キャスト:レイモン・ドゥパルドン、クローディーヌ・ヌーガレ

100分 フランス語 Color | 2012年 フランス | ドキュメンタリー

数年間アメリカに出稼ぎに出かけていたペドロが久しぶりにメキシコの故郷の村に戻ってくる。ゆっくりと家族との距離を取り戻しつつも、アメリカの夢はいつもそこにある…。地元に密着して住民とともに映画を作り上げるスタイルが奏功し、カンヌ映画祭批評家週間作品賞受賞。
本作は映画監督としてのドゥパルドンの新作であるが、彼の過去と現在を追っていくのは、共同監督であり、録音技師であり、製作者であり、妻であるC・ヌガレである。ヌガレが埋もれていたドゥパルドンの未発表の映像を発掘し、それが田舎を撮り続ける近年の仕事と組み合わさることで、ひとりの偉大な芸術家の足跡が浮かび上がってくる。アルジェリア戦争の従軍キャメラマンから始まり、プラハの春、フランス大統領選挙、精神病棟、アフリカ、法廷、農民、など、ドゥパルドンがキャメラを向けた対象は実に多岐にわたり、やがて見えてくるのは、報道者的なマクロの視点と、田舎の風景や市井の人間に向き合うミクロな感性を兼ね備えた稀有な芸術家の姿である。未だ日本ではその全貌がほとんど知られていないドキュメンタリーの巨匠による豊潤な芸術世界を発見されたい。

上映日:10月25日(木)12:05、10月27日(土)19:40

檻の中の楽園 / Bestiaire

72分 Color(言語なし) | 2012年 カナダ=フランス | ドキュメンタリー

カナダのケベック州にあるサファリパーク。広大な敷地に広がる野生の世界は動物たちの小宇宙である。外は雪景色。オフシーズンとなった館内をキャメラは静かに捉え、動物たちの様々な表情を映し出す。閉ざされた世界に苛立ったり、静かに時間を過ごしていたり、物思いにふけったり。物憂げな彼らの姿は実にユニークで興味深い。そしてサファリパークは新しい季節を迎え、緑に満ちた大地に動物たちが解き放たれる。キャメラは変わらぬ目線で動物たちを観察していく。ふとした表情や仕草から、彼らの感情が溢れていることに気づかせてくれる。動く肖像画のごとく映像に収めたのは、動物たちの姿だけでなく、そのまなざしや感情である。我々は動物映像の新境地に導かれるだろう。本作のメガホンをとったのは、長編処女作“Drifting States”(05)でロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞したドゥニ・コテ監督。才能溢れる監督に今後も目が離せない。

上映日:10月22日(月)19:50、10月25日(木)17:10

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