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『しあわせの雨傘』カトリーヌ・ドヌーヴ インタビュー

2010.12.12

世界中で大ヒットしたあの『8人の女たち』から8年。フランソワ・オゾン監督が再びカトリーヌ・ドヌーヴを起用した、『しあわせの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴさんの オフィシャルインタビューです。

Q:冒頭の赤いジャージのシーンはインパクトが強く非常に驚いたのですが、最初に赤いジャージを着られると聞いてどう思われましたか?

赤ジャージを着る案は、“撮影のときに初めて知った”ってわけではなかったの。それ以前にいろいろなものを試着して、一緒に衣装を決めるというところから私は関わっていたから、実際には赤だけではなく緑とか青とかの色んな色のジャージを着てみたのよ。オゾン監督とコスチューム係の人と一緒に決めたことなので、聞いて驚いたということはなかったわ。

Q:赤ジャージを着られる際、頭にネットをかぶるというアイデアはドヌーヴさんの案だと伺ったのですが、どのようなイメージで閃かれたのでしょうか。

確かに頭にカーラーをつけたままというのは私が提案したわ。髪が長いのでバサバサしないように何かで止めないとと思ったのだけれど、ヘアバンドをするというのはちょっと洗練されすぎる感じがして。例えばアメリカ人女性は、朝の支度をする時、頭にカーラーをつけたまま準備をしたりするでしょう?見た感じはおかしいけれど、「出掛けるときは完璧よ」って。今回のカーラーは、そういうイメージで私がオゾン監督に提案したの。カメラテストをしてみて、OKを頂いたわ。ちょっとおかしな感じはするけれど、こうした方が洗練されずにいいかなと思ったの。

Q:ドヌーヴさんは普段ジョギングとか、ジャージを着られて身体を動かすことはあるのでしょうか?

ジャージは着心地が良いから、田舎にいる時なんかには着たりします。ジョギングは個人的に好きではないので、どちらかというとウォーキングをしているかしらね。

Q:ダンスシーンが印象的でした。ジェラール・ドパルデューとカメラ目線でディスコダンスを踊っているシーンはとてもインパクトが強く強烈でしたが、あのシーンの撮影は楽しかったですか?また撮影秘話などがあったら教えて下さい。

あのシーンはすごく冒険的なもので、いろいろなエピソードがあったのよ。
まず、あのシーンは本物のナイトクラブで撮影していて、恐ろしく暑い場所だったの。特にジェラール(・ドパルデュー)は暑いのが苦手なので、リハーサルの時はシャツ姿だったけど、本番ではジャケットまで着なくてはならなかったから、それが本当に大変だったみたい。狭い場所で、人も多く、ライトも多くて、本当に暑かったわ。
もう1つ大変だったのが、振り付けね。まさか、こんなに本格的なダンスシーンだとは思ってなかったのよ!あまり長時間のリハーサル時間を取れなかったから、練習も充分でなくて。結局私たちが踊っているシーンでは、カメラの向こう側で振り付け師が背中向きで同じ踊りをしてくれて、私たちはそれを見ながら踊ったわ。

Q:オゾン監督とは、『8人の女たち』以来8年ぶりの仕事ですね。オゾン監督の現場というのは、楽しい感じ雰囲気なのですか?それともハード?

ハードワークであったことは確かだけれども、撮影はとても楽しい雰囲気で行われたわ。この作品はベルギーで撮影していて、ベルギーチームとフランスチームがあったの。3/4くらいはベルギーの方で撮影しました。撮影したのは秋だったけれど、この映画は春のシーンが多いから、セットを造りこんだり、照明を工夫したり、いろいろな作業があって、とにかく人が多い撮影場所だったわね。でも、撮影当初から素敵な雰囲気が続いて、オゾン監督もみんなも、楽しみながら撮影してたわ。

Q:ずばりオゾン監督の魅力はどういったところでしょうか?

オゾン監督は人を見る目や物語を見る目が、すごく独特。基本的には皮肉っぽい見方をしているけれど、ちゃんと色々な想像力を働かせながらものを見ることが出来る監督だわ。彼はカメラワークも全部把握しているし、常に俳優の近くにいてくれる存在ね。

Q:ドヌーヴさんから見た日本の印象は?

私にとっては、とてもエキゾチックな国。フランスの文化と全く違うという意味でも惹かれるわ。言葉が通じないフラストレーションも勿論あるけれど、でも言葉が分からないからこそ、より自分が“外もの”であるって実感できるところも魅力的なのね。私は日本の街も好きだし、文化も好きだし、映画も好きだし、料理も好きよ!日本文化全体がフランスでは人気になっているの。

映画『しあわせの雨傘』(フランソワ・オゾン監督)は2011年1月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開



(C)Mandarin Cinema 2010

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