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エリーズ・ジラール監督インタビュー /  Interview d’Élise Girard

Tsuyoshi ne parlait pas français donc il fallait qu’il apprenne le français.
伊原剛志さんはフランス語が話せなかったので、フランス語を覚えてもらう必要がありました。

イザベル・ユペールが伊原剛志と共演、日本を舞台に描いた『不思議の国のシドニ』のエリーズ・ジラール監督のインタビューです。

Q : 日本の印象は?
日本はフランスと比べると穏やかな国で、ヨーロッパとは大きく異なる国です。
私が特に惹かれているのは、伝統と現代的なものが共存する日本文化です。
日本は歴史にしっかりとつながりながらも、同時に非常に現代的でびっくりさせられます。
Q: 映画監督になった経緯は?
私は学業を終えた後、最初は映画館の広報担当として働いていました。その後、ドキュメンタリーから撮り始め、まずは、テレビのドキュメンタリーを手掛けました。その初作品がヒットしたので、2本目のドキュメンタリーを制作しました。そして、2011年に初の長編作『ベルヴィル・トーキョー』を制作し、この作品のプロモーションで日本に来たときに体験した感情から、『不思議の国のシドニ』のインスピレーションを得ました。
Q : 『不思議の国のシドニ』のキャスティングについて
私が最も重視したのは、健三のキャスティングでした。2019年に是枝監督のキャスティングディレクターが、日本のスターたちとのキャスティングを東京で開催してくれ、日本に来て10人に満たないですが、非常に有名な俳優たちと会う機会がありました。その中にいたのが、伊原剛志さんで、彼を見て少し話した瞬間に、まさに自分が探していた人物だと直感しました。
イザベル・ユペールさんの起用は少し異なり、彼女を思い浮かべながら脚本を書き始めたので、浮かんでくるのは彼女の顔でした。
Q : 伊原剛志さんの役作りについて
剛志さんはフランス語が話せなかったのですが、彼が演じる健三は流暢なフランス語を話すので、フランス語を覚えてもらう必要がありました。
私たちはSkypeでたくさんリハーサルを重ね、彼が私の後に続いてフレーズを繰り返すというセッションを行いました。そして当然ながら1人でもたくさん練習してくれました。発音のサポートを少ししてくれる人もいましたが、本当にたくさん努力をしてくれました。自身のセリフだけではなく、イザベルのセリフも覚えて、次に自分が話すタイミングを把握しなければならなかったので、まさに大変な作業でした。これを成し遂げた剛志さんは、本当に素晴らしい俳優です。
Q : フランス語学習者へのメッセージ
フランス語は難しいですが、たくさん勉強すれば、ただ続けて勉強するだけでも、フランス語がとても上手に話せるようになりますよ!中には本当に流暢にフランス語を話す日本人もいます。フランス語の勉強、頑張ってください。フランス語は難しいですが、応援しています!

エリーズ・ジラール監督のプロフィール

エリーズ・ジラール監督のプロフィール

1974年フランス、トゥアール生まれ。大学で脚本について学んだのち、映画館チェーン「シネマ・アクシオン」の広報担当として働き、その時の経験をもとに2本の中編ドキュメンタリー映画『孤独な勇者たち/シネマ・アクシオンの冒険』(03)、『ロジェ・ディアマンティス、あるいは本物の人生』(05)を監督。2011年には初の長編作品『ベルヴィル・トーキョー』を監督し、 続く長編 2 作目『静かなふたり』(17)では、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に選出された。

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